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エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【345】|MK新聞連載記事

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MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、大西信夫さんによる様々な身近な事柄を取り上げたエッセイ「本だけ眺めてくらしたい」を前身を含めて1988年5月22日から連載しています。
MK新聞2017年1月1日号の掲載記事です。

本だけ眺めてくらしたい

日本酒がラーメン屋化している、とでも言えばいいだろうか。
例えば、昨今の酒瓶のラベルのデザイン。そのセンスが、いまどきのラーメン屋の店内と似ている――と感じるのは私だけだろうか。
“和モダン”というのか、しゃれたシンプルな洋風ベースと和のモチーフや素材のハイブリッドな背景に、店主から客への熱いメッセージ(!)やラーメンづくりへの「こだわり」が壁に筆書きされていたりする(端正できれいな筆跡でなく、荒々しいか、逆にやわらかく素朴な感じで)……そう、あのセンスだ。

銘柄のネーミングも、従来の日本酒らしくないギャップを狙ったユニークな(あるいは“あざとい”)ものが続々と登場しているのも、ラーメン屋の店名に同じ。
もっと言えば、個性的なラーメン屋を起業し人気を集めている若き店主が雑誌で取材されたときの記事写真なんかもそう。
若きラーメン店主を、さらに若いスタッフが囲んでカメラに向かって、なぜか皆がそろって腕を組んでいたりする。もしくは、皆が腰に手をあてているか、爽やかに破顔一笑しているという3つのパターンだ。

日本酒は国内出荷量が長期にわたって右肩下がりを続けている。
ピーク時には170万キロリットルを超えていたが現在では60万キロリットルを割り込んでいる。
が、近年、地酒の伝統ある蔵元を継いだ次世代の担い手の中には、温故知新で酒造りの理想と信念を持って日本酒復権に取り組み、注目をあびている若い人たちがいる。
で、その真摯な仕事ぶりや思いを取材した記事の写真が、若き酒蔵経営者や杜氏(とうじ)とスタッフの“腕組み”か“腰に手”か“爽やかに破顔”という〈個性的ラーメン屋店主を取材した記事写真〉のパターンとなぜか同じなのだ。
もっとも、記事の写真については、どうせ取材したライターか同行のカメラマンによる被写体への指示が、ラーメン屋と酒蔵で同じということなのだろうが。
そういう意味では、もしかしたら日本酒のラベルも、広告代理店や印刷会社からの提案や見本が、そもそも和モダン・ラーメン屋的なデザインなのかもしれない。
ただ、それにしても、なぜ日本酒とラーメン屋が同じイメージのデザインになるのか、という謎は残る。

MK新聞について

「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

ホームページからも最新号、バックナンバーを閲覧可能です。

MK新聞への大西信夫さんの連載記事

1988年以来、MK新聞に各種記事を連載中です。

1988年5月22日号~1991年11月22日号 「よしゆきの京都の見方」(45回連載)
1990年1月7日号~1992年2月7日 「空車中のひとりごと」(12回連載)
1995年1月22日号~1999年12月1日号 「何を見ても何かを思う」(64回連載)
1996年4月16日号~現在 「本だけ眺めて暮らしたい」(連載中)

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