MK新聞の社説記事「京都の新下限運賃は小型620円に MKは今の運賃を守り続けます」2009年10月16日

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MK新聞の社説記事「京都の新下限運賃は小型620円に MKは今の運賃を守り続けます」2009年10月16日

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞の2009年10月16日号に掲載された社説記事の全文です。
「タクシー再規制は事業者の創意工夫の放棄」と題して論じています。

京都の新下限運賃は小型620円に MKは今の運賃を守り続けます

エムケイ株式会社 代表取締役社長 青木信明

各地で新自動認可運賃が公示 京都は下限が620円に引き上げ

本年10月1日のタクシー適正化特措法の施行にあわせ、タクシー事業に関する公示通達が各地方運輸局で出されています。これまで内容が注目されていた自動認可運賃の新しい幅もあわせて発表されました。従前は上限運賃から下限運賃までの幅が概ね10%で、新法施行にあわせて5%程度に圧縮されるといわれていたものの、結果的には更に圧縮されました。京都では従前の小型車運賃で上限640円~下限570円であったものが、640円~620円と大幅に下限運賃が引き上げられました。
特に京都ではMKを含め複数のタクシー事業者が620円を下回る運賃を採用しており、これらは下限割れ運賃として扱われ、今後は経営状況や労働条件が悪化していないか当局による厳しい監査対象になります。運輸行政としては各地にあるワンコイン初乗り500円運賃をはじめとする下限割れ運賃を自動認可運賃内に収斂させるべく、監査と厳しい運賃継続認可申請の査定を武器にタクシー事業者に圧力をかけます。

監査での処分加重を避けるため 多くの事業者が減車をした

タクシーの供給過剰が問題であるとして、新規参入や増車を認めないタクシー適正化特措法が成立しました。そのため減車を進めていくことが運輸行政の狙いですが、タクシー事業者が減車することにメリットがあるよう減車インセンティブ、逆に増車した事業者には処分を重くする政策をとりました。新法によって特定地域に指定されたほとんどの大都市を含む全国141地域(全国の営業区域の総数は643地域)では、増車した事業者には監査で違反があった場合に定められた処分の3・5倍の処罰をし、増車はしていないが減車もしていない事業者には2倍の処罰。逆に10%以上の減車を行った事業者には長期間監査未実施を理由とする巡回監査の免除、5%以上の減車を行った事業者には処分は1倍のまま、です。
東京の大手四社の一角である国際自動車(Km)が、監査の処分点数の累積により本年9月に事業許可取消処分を受けたことがタクシー業界に大きなショックを与えたことも影響し、減車インセンティブを目的に東京では1000台余り、大阪では500台余りの減車届が出されました。
増車や減車をしたことを理由に全く別の違反事項の行政処分を加重することは行政手続法違反の疑いがあることが指摘されています。私は本紙上において処分加重の違法性はもとより、このような減車インセンティブは「減車をすれば関係法令に違反しても見つからない」という風潮を生み出し、タクシー事業者のコンプライアンス意識を一層低下させるだけであると主張してきました。取り組むべきは自らの管理体制の見直しであり、意識改革が出来ない事業者は、タクシー業界が自ら望んだ特措法による監査強化の波にさらわれて淘汰されるでしょう。実際のところ監査において調査される帳票類とその記載事項は年々複雑化・詳細化しており、これまで多数の監査を受けた弊社であっても気を抜くことが出来ない状況です。

MKグループは利用者の支持ある限り 現運賃を維持し粛々と事業を進める

このような状況下でありますが、MKグループはお客様によろこばれる安い運賃を値上げすることはありませんし、監査を回避するためにタクシー台数を減らすこともいたしません。新法施行前に今後の事業計画とコストを念頭におきながら各社で増車も実行しました。私たちが真摯に耳を傾けるべきはお客様の声であり、行政の方針や業界の意向ではありません。
それどころか今後値上げを強いられた結果、今より売上が低下し収益が下がれば国家賠償請求も辞さない考えです。一昨年の東京地域の初乗り710円への値上げによって利用者離れが加速し東京全体の売上がいかに減少したかは周知の通りです。東京MKは値上げせず従前どおり売上を維持しており、利用者から喜ばれております。これは残念ながら東京のタクシーは利用者がその運賃を払ってでも乗りたいと思える総合的な意味でサービスではなかったということではないでしょうか。価格は供給側だけの論理で決めるものではなく、利用者が対価として払うにふさわしいものかを考慮しながら決定していくものであり、この厳しい経済環境下では特にその傾向が顕著なのではないでしょうか。

新規参入と増車を認めない 3年間の特定地域指定、その後は

新法では特定地域に指定された営業区域では新規参入は増車が原則として認められていません。そして特定地域の指定は3年とされていますが、私は3年後に再度指定されてこのまま事実上需給規制の復活となる可能性があるのではないかと危惧しております。
タクシーが社会からなくてはならない公共交通機関であると認識されるものへ発展成長していけるよう、国土交通大臣におかれましては3年後のタクシーのグランドデザインをお示しいただきますよう宜しくお願いいたします。

 

MK新聞の社説記事

あああ

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