MK新聞の社説記事「タクシー再規制でもMKは利便向上 新規3地域で新サービス続々登場」2009年7月16日

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MK新聞の社説記事「タクシー再規制でもMKは利便向上 新規3地域で新サービス続々登場」2009年7月16日

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞の2009年7月16日号に掲載された社説記事の全文です。
「タクシー再規制は事業者の創意工夫の放棄」と題して論じています。

タクシー再規制でもMKは利便向上 新規3地域で新サービス続々登場

エムケイ株式会社 代表取締役社長 青木信明

タクシー特措法で再規制へ 需要回復に疑問

前号にて「特定地域のタクシー事業適正化・活性化特別措置法」が可決され、本年10月より施行される見通しであることを述べました。供給過剰とみなされた地域は特定地域に指定され、新規参入や増車が出来なくなります。
2002年の規制緩和によってタクシー事業には新規参入がおこり、各事業者の創意工夫やサービス向上の努力をするなど切磋琢磨し、タクシーのサービス水準は向上しました。「お客様に選ばれるタクシー」となるために経営者は努力をしていました。
一方で消費者に「タクシーは選んで乗れるもの」という意識が芽生えたことに大きな意義がありました。これまで「タクシーはサービスが悪くて値段が高いのが当たり前」「仕方がない」と諦めておられたお客様は、驚きと喜びをもって変化を感じておられます。実際にMKタクシーが新しく進出した各都市で、「タクシーを安心して乗ることが出来た」「MKタクシーが来たので他社も意識して、タクシー全体のレベルが上がった」というお客様からの声を聞きます。
これらの変化は競争原理があって初めて生まれるものです。この度のタクシー特措法は事業者の自助努力する意欲を失わせるものでしかありません。新規参入と増車を止めることで利用者の需要が回復するとは到底思えません。

タクシー離れをまずは食い止める 家計のなかでタクシー代の地位つくる

それでは需要を回復するためには何をすべきか。弊社は昭和50年代に京都市においてバスとタクシーの有機的結合によって便利で安い公共交通機関をつくる「都市交通改革」を提唱しました。タクシーにとってバスや地下鉄など他の交通機関はライバルではなく、タクシーを含めた公共交通機関のライバルがマイカーである、しかしながらマイカーが年々増加しているのは今の公共交通機関に魅力がないからだと考えました。利用者を公共交通機関に取り戻せば、渋滞問題や環境問題の解決の一助にもなります。
同じことが現在のタクシーをとりまく状況でも言えます。不況下で国民全体の財布の紐がかたくなり、食費、被服費、交際費、遊興費など出費あるなかで如何にしてタクシーへの支出を確保してもらえるかです。タクシーは高いしサービスも良くないから、我慢してでも乗らないでおこう、と消費者が考えてしまわないように手をうつことが最も必要とされることです。はっきり言えばまだまだタクシー運賃は、MKタクシーの運賃であっても利用者からすれば高いです。もっと運賃を値下げしたいが現在の弊社の企業体力であればこれ以上は難しい。ではせめてその分、気持ちよくご乗車いただくことでカバーしよう、経営者も社員も汗をかいて社員教育に取り組もう、ご自宅から簡単にタクシーを呼んでいただけるようにGPS配車システムはじめコールセンターの投資をしよう、車両は新しいものを入れて清掃を欠かさずに気持ちよくご乗車いただこう、このように発想しています。
原価が高騰するにも関わらず品物の値段は下がることが珍しくなく、現在の経済状況では弊社も含めて従来の手法は通じません。とりわけタクシーの常識は、世間の非常識と言われるような商売のやり方ではお客様からどんどん取り残されるでしょう。経営者はもっと本業に知恵を絞り、投資をするべきなのです。
今後各地で出来るであろう地域協議会において、果たしてこのような議論が出来るのであろうか、私は心配しております。

福岡MK5000円超分5割引認可 札幌MK、滋賀MKで空港定額タクシー

本年新たに開業しました福岡MK、滋賀MK、札幌MKは初乗運賃を下げておりますが、様々なシーンでお客様にタクシーを選んでいただくためのメニューを広げていきます。まず第一弾として福岡MKでは7月21日より遠距離割引を拡大し5000円超分5割引にします。さらに現在各運輸局に申請中ですが、札幌MKでは札幌市内と新千歳空港の間の定額タクシー運賃、滋賀MKでは同じく関西国際空港、伊丹空港、セントレア空港への定額タクシー運賃がまもなく認可される見通しです。
お荷物の多い方やお体の不自由な方、小さな子供連れのお客様にとって空港への移動だけでも大変な作業です。そこへタクシーであっても実はこれくらいお得に行くことが出来ますよ、という提案をすることで必要とされる方の需要を掘り起こすことが出来ます。このようなサービスは無論、規制緩和によってもたらされたものです。

需要を高めるには利用者に喜ばれるサービスの提供しかない

需要を高めるには一言で表すなら「利用者に喜ばれるサービスを提供すること」しかありません。お客様本位という企業姿勢を確立するために弊社も創業から約50年経過しましたが、未だ道半ば、悪戦苦闘の日々です。超高齢化社会に突入し、唯一のドアトゥドアの公共交通機関であるタクシーはこれからますます重要な役割を担います。タクシー事業者以上に利用者の存在が今後のタクシー事業のあり方にとって鍵となります。
国土交通大臣並びに国土交通省におきましては、タクシー特措法においてカバー仕切れなかった利用者の存在について議論を深めていただきたい所存でございます。

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