京都国立博物館「池大雅展」タクシー会社向け特別観賞会レポート

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京都国立博物館「池大雅展」タクシー会社向け特別観賞会レポート

京都国立博物館では、MKタクシーをはじめとするタクシー会社対象に特別展の特別鑑賞会を開催することがあります。
2018年に開催された特別展「池大雅 天衣無縫の旅の画家」のタクシー会社を対象とした特別観賞会のレポートです。
担当研究員による30分の講演内容を紹介します。短いですが、池大雅愛が伝わる熱い内容でした
特別鑑賞会は、担当研究員による30分の講演内容と、貸切での自由観覧で構成されます。

タクシー会社向けの特別観賞会レポート

特別展「池大雅 天衣無縫の旅の画家」の概要

会期  2018年4月7日(土)~5月20日(日)
休館日 月曜日
時間  9:30~18:00(入館は17:30)
金・土は20:00まで(入館は19:30)
観覧料 1,500円

公式ホームページ:https://www.kyohaku.go.jp/jp/special/koremade/taiga2018.html

タクシー会社向けの特別鑑賞会とは

京都国立博物館では、広報活動の一環としてタクシー会社を対象に特別観賞会を実施しています。
池大雅展を担当した研究員による30分の講義と、60分の特別展観賞の計1.5時間の勉強会です。

講演会場は、平成知新館の地下一階にある講堂です。

一般入口とは別の通用門より平成知新館へと入ります
一般入口とは別の通用門より平成知新館へと入ります

担当学芸員による講演レポート

特別展「池大雅 天衣無縫の旅の画家」を担当した、学芸部保存修理指導室研究員である福士雅也の講演内容をレポートします。
特別展の展示内容と重複する部分は省略します。
講演ならではの情報と熱い思いのみを記載します。

地味な特別展と思われがちだけど

今回は、MKタクシーとヤサカタクシーから約50名が来場しています。
前回の国宝展*1のときは、200名が集まったことを考えると、かなり少ない人数になりました
どうしても地味な特別展ですが、タクシードライバーの協力も得てたくさんの方に来場してもらいたいです。

「85年ぶり」「過去最大」「最後の一人」の二度と見られない展覧会

特別展の3つのポイント

この特別展には大きく3つのポイントがあります。

① 85年ぶりの大回顧展

前回は1933年に、ここ京都国立博物館(当時は恩賜京都博物館)で行われた「池大雅遺墨展覧会」です。
85年も前なので、この展覧会を見たという存命者はほぼいないでしょう。
次にいつ開催できるかわかりません。「生きている間には二度と見られない展覧会」として宣伝してください。
小規模な展示は、たとえば2014年に閉館した池大雅美術館のコレクションを引き継いだ文博(京都文化博物館)*2でも、たまに行われています。

② 過去最大規模の展覧会

85年前の120件に対し、今回は162件もの池大雅の作品が、所せましと並びきれないくらい展示されます
国宝3件、重要文化財13件を全て網羅した、二度とない規模です。まさに「大雅を知りたければこれを見ろ」というにふさわしい内容だと、自負しています
国宝の「山水人物図・老松図」「楼閣山水図」「十便十宜図のうち十便図」は、昨年2017年に京都国立博物館で行われた国宝展でも出品されなかった作品です。
実は国宝展の担当者に「来年出すので大雅は出品しないで」とお願いしてました。

③ 三巨匠、最後の一人の登場

18世紀の京都画壇を代表する巨匠といえば、円山応挙(まるやま おうきょ)、伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)、そして池大雅です。活躍当時からも、この3人が画家人気ランキングのようなもので、トップ3に選ばれています。
京都国立博物館では、1995年に円山応挙展、2000年に伊藤若冲展を開催し、満を持して池大雅の登場です

こういう展覧会は、例えば生誕○年や、没後○年に行われることが多いのですが、今回はそういうキリの良い数字はありません。
2000年の展覧会を機に人気に火が付いた伊藤若冲らと比べて池大雅の知名度は高くはありません。
今やらねば忘れられてしまうのでは、という切迫感から今回の池大雅展の開催が決まりました。
京都生まれ、京都育ちの巨匠なのですから、我々京都国立博物館以外にはできない展覧会です。

地下一階にある講堂で、研究員による30分の講義
地下一階にある講堂で、研究員による30分の講義
若冲に匹敵する人気画家である池大雅

対照的な大雅と若冲

今や大人気の伊藤若冲とは、様々な点で対照的です
生まれつきとてつもない才能のあった天才肌の池大雅に対し、伊藤若冲は努力家です。
池大雅は幼いころから才能を示す様々なエピソードがあります

今回の展示では、萬福寺の僧侶が池大雅を「七歳神童」と評した資料も展示されます。
涙で鼠の絵を描いたという雪舟をはじめ、芸術家の神童伝説はたくさんありますが、このように証拠が残っていることは稀です。

伊藤若冲と比べて今いち人気がない一因は、淡いパステル調の絵である点です。
伊藤若冲のようなはっきりした絵は非常に写真に映えるのですが、池大雅の絵は写真で見るとその良さが全然わかりません
是非実物を見てその淡い色使いとシャープな線の素晴らしさを体感してください。
そして「あの若冲に匹敵する人気画家だった」とたくさんの人を誘ってください。

参加はMKタクシーとヤサカタクシー
参加はMKタクシーとヤサカタクシー
もっと話したいことはあるんだけれど

展示構成

特別展では、全7章にわけて展示しています。

第1章は「天才登場―大雅を取り巻く人々」です。
どんな天才であっても、それが世にあらわれるには見出してくれる人が必要です。
池大雅の場合は、それが郡山藩の重臣でもあった柳沢淇園(きえん)でした。大きく身分の異なる二人ですが、淇園によって池大雅は世に出ました。

旅好きな人におすすめの池大雅

第5章は「旅する画家―日本の風景を描く」です。
池大雅はものごとにもお金にも執着しない自由人で、日本中を旅した画家です。
松島など数々の名勝を大雅流で描いた絵がたくさん展示されています。旅好きの方を是非誘ってください。

そのほかにも話したいことはたくさんあるのですが、延長するといろんなところから怒られるので、ここで終わります。
口で説明するよい見た方が早いので、じっくり鑑賞してください。

特別展の自由観覧

特別展の会場入口にて
特別展の会場入口にて

講演終了後、閉館後の平成知新館での特別展を観賞。
もちろん貸切状態なのでゆっくりと観賞できました。といっても60分しかないので結構駆け足ですが。
なんせ約150件も展示されています。
池大雅のすばらしさを満喫できた勉強会でした。

おわりに

MKタクシーは、京都国立博物館などにご協力いただき、本記事のような特別鑑賞会を実施しています。
特別な講演会や観覧をさせていただき、MKタクシーもお客様への口コミや車載広報誌、SNS等で広報に協力しています。

京都で働く観光タクシードライバーは、日々京都に関する歴史・文化などの知識を磨かなければなりません。
常日頃から、自学自習はもちろんのこと、座学による勉強会や現地勉強会を行っています。ときには、京都国立博物館など外部とも連携し、特別な勉強会も行っています。

是非、京都へいらっしゃる際は、日々研鑽を積んでいるMKタクシーの観光ドライバーによる観光ガイドを体験してみてください。

 

MKタクシーの観光勉強会記事

 

*1:開館120周年記念 特別展覧会 国宝https://www.kyohaku.go.jp/jp/special/koremade/kyoto-kokuhou2017.html

*2:池大雅−文人たちの交流−http://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/ikenotaiga-2/

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