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100年ぶりの再会。京都国立博物館「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」開催中

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2019年10月12日から11月24日まで京都国立博物館で開催されている特別展「流転100年 佐竹本三十六歌仙 絵と王朝の美」。
数奇な運命をたどった、三十六歌仙を描いた作品たちが一堂に会するドラマチックな展覧会です。

次に見られるのは100年後かもしれない、佐竹本。
秋は芸術の季節。紅葉と一緒に古くからの日本の美を味わってみませんか?

2019年10月16日に開催された、タクシー会社・ホテルコンシェルジュ向け特別鑑賞会での講演内容より主に抜粋。
 

 

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平成知新館

京都国立博物館「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」とは

1919年、日本最高峰の三十六歌仙絵と呼ばれた佐竹本がバラバラに切断されてしまいました。
当時の新聞にも取り上げられ日本中が衝撃を受けた「絵巻切断」事件から今年で100年。
分割されてしまった歌仙絵の中には、行方不明になってしまった絵もあります。
今回、研究員らの努力の甲斐あり、そのうち31点が100年ぶりに一同に会することになりました。

歌仙絵の最高峰として知られる佐竹本三十六歌仙絵。
歌を詠んだときの歌人の心情がみごとに表現されています。 

特別展情報

開催期間 2019年10月12日(土)~11月24日(日)
開館時間 9:30~18:00(金・土は20:00まで)
入場料 大人 :1,600円
大学生:1,200円
高校生:700円
※中学生以下無料
休館日 月曜日(ただし10月14日と11月4日は開館)
TEL 075-525-2473
住所 京都市東山区茶屋町
アクセス 京阪「七条」より徒歩7分

公式HP

 

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歌仙絵の最高峰である佐竹本三十六歌仙絵

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三十六歌仙とは、藤原公任(ふじわらのきんとう)という、藤原道長と同年生まれの当時として最高峰の文化人が、飛鳥時代から同時代までの歌人から36人を選んだものです。
あまりピンと来ない名前も多いですが、和歌の世界では尊敬されてきた人物たちです。
鎌倉時代以降、三十六歌仙は「歌仙絵」という形で盛んに描かれてきましたが、そのなかでも最高峰といわれているのが佐竹本(さたけぼん)です。
絵巻物として描かれ、三十六歌仙と住吉大明神図を加えた37の絵からなります。

「絵巻切断」事件の顛末

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1917年、秋田藩主だった佐竹家から佐竹本が売りに出され、当時第一次世界大戦で大成功し船成金と呼ばれた山本唯三郎(たださぶろう)が購入しました。
しかし、戦争終結により山本家が傾くと、再び佐竹本が売りに出されることに。

あまりに高価なため国内では買い手がつかず、佐竹本は海外へと流出する危機にありました。
そこで、当時経済界の中心人物で茶人でもあった益田鈍翁(どんおう)が呼びかけ、日本経済界の重鎮たちで共同購入することになりました。
37枚をバラバラにし、それぞれくじ引きで引き当てた1枚を購入するという形です。
やむを得ない事情があったとはいえ、有名な文化財をバラバラにするというインパクトは大きく、当時の新聞でも「佐竹本絵巻切断」事件としてセンセーショナルに報道されました。

100年の流転を経て、31枚を集めた

1枚でも数億円するという佐竹本は、当初購入した37人から一部を除きそれぞれの事情によって個人から個人へと転売されていきました。
現在では、37枚全ての所在までは分かっておらず、海外へと流出してしまった可能性もあります。
これまでも散逸した佐竹本を集めて展示しようとする試みはありましたが、1986年にサントリー美術館が20枚を集めたのが最大規模でした。

今回の企画にあたり、所有者不明とされていた分もできる範囲では研究員が調査しましたが、それでも不明なものもあります。
今回の展示で31点が集まりますが、これを超える枚数の展示はもうないか、あっても100年後かもしれません。

佐竹本が評価される理由

和歌を詠んだ人の心情が見事に絵で表されているのが、佐竹本が高く評価される理由です。
他の歌仙絵では、ただ歌人の絵が並んでいるというパターンが多いですが、佐竹本はまさに歌と歌人の肖像の表情や仕草が見事にリンクしているのです。
ぜひ、しっかりと和歌を味わってから絵を見てみてください。

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しょんぼりした源信明(みなもとのさねあきら) 1918年発行 風俗絵巻図画刊行会「三十六歌仙」 国立国会図書館デジタルコレクション

月を詠っているのに月を見上げるのではなく、しょんぼりとうつむいている絵など、歌人の心情が実に細やかに描かれています。

 

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小野小町 1918年発行 風俗絵巻図画刊行会「三十六歌仙」 国立国会図書館デジタルコレクション

三十六歌仙でも最も有名な小野小町は、唯一後ろ姿で描かれています。
絶世の美女として有名な小野小町の顔がどんなものかは興味があるところですが、敢えて隠して観る人の想像力に委ねるという心憎い演出が使われています。

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小大君 1918年発行 風俗絵巻図画刊行会「三十六歌仙」 国立国会図書館デジタルコレクション

三十六歌仙絵でもやはり人気の高いのはお姫様の絵です。
特に人気の高い小野小町は特別展会期中の前半のみ、小大君(こおおきみ)は後半のみの展示なのでご注意ください。

美しい装丁にも注目

佐竹本は、絵そのものだけではなく、装丁もみどころです。
バラバラにされた三十六仙絵は、それぞれ掛け軸に装丁しなおされて茶会などで使われてきました。
手に入れた人がそれぞれ絵や歌の内容にあわせた趣向を凝らした装丁をしています。

なかには、室町時代の絵画の真ん中を切りぬいて装丁の背景に使っているものもあります。佐竹本でしかありえないような、贅沢すぎる装丁です。 

 

「ちはやふる」とのコラボレーション

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百人一首の競技かるたを題材にした漫画「ちはやふる」の複製原画展示コーナーは撮影OK。
この特別展のために特別に描き下ろされた、末次由紀先生のイラスト原画です。

またこの展覧会の音声ガイドは、アニメ「ちはやふる」で主人公を演じた瀬戸麻沙美さんがナビゲーターを務めます。
瀬戸さん演じる綾瀬千早と宮野真守さん演じる真島太一もスペシャルゲストとして登場するのだとか。
ファンのみなさまは必聴です!

おわりに

今では考えられないような運命をたどった佐竹本三十六歌仙絵巻。
人から人へと渡っていく作品の多い中で、31点もの絵を見つけ出すことができたのは、いままで関わったすべての所有者の方が大切に守り続けてきたことによる奇跡なのかもしれません。
バラバラに分かれてしまったひとつの作品が100年ぶりに再びまみえる特別なイベントです。

この秋京都にいらっしゃる際は、ぜひ京都国立博物館へ訪れてみてください。

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毎年数回行われる京都国立博物館の特別展では、タクシー会社やホテルのコンシェルジュを対象にした特別観賞会を開催いただいています。

MKの観光ドライバーは、座学や現地勉強会などで、日々観光知識を研鑽しています。
その一環として、今回の京都国立博物館をはじめ、京都の多くの博物館・美術館などにご協力いただき、ドライバー向けの特別な勉強会を開催していただいています。

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