タクシー代の消費税率は何%?タクシーと消費税のよくある質問
目次
消費税は原則10%ですが、軽減税率が適用される場合は8%です。
では、タクシー代に適用される消費税率はいくらでしょうか?
タクシーへの消費税課税の仕組みや、法人タクシーと個人タクシーの違い、増税の瞬間のタクシー運賃など、タクシーと消費税にまつわる話題について解説します。
タクシー代の消費税率は10%
消費税率3%→5%→8%→10%
タクシーの消費税の歴史は、一般と異なるところはありません。
- 1989年4月 税率3% 初乗2km430円→440円
- 1997年4月 税率5% 初乗2km580円→590円
- 2014年4月 税率8% 初乗2km580円→600円
- 2019年10月 税率10% 初乗2km600円→610円
注:運賃は京都のMKタクシー小型車(2019年は普通車)の場合。
消費税増税時に限らず、諸原価の変動や営業政策によってタクシー運賃は上下します。
上記は消費税増税時の変動のみを記載しています。
タクシー代は消費税内税表記
タクシーの運賃メーター器の表示額は、内税の額です。
2004年に消費税込みの総額表示が義務化されましたが、タクシー運賃は一貫してわかりやすい税込の総額表示です。
消費税が10%ともなると、価格が税込か税抜で大きな差があります。
まずは、タクシー運賃は税込ということを理解してください。
運賃が420円の場合、本体価格が382円(=420円÷1.1)、消費税が38円という内訳になります。
国土交通省によるタクシー認可運賃制度下においては、タクシー代は税込で10円単位の額となるように調整されています。
ただし、1989年の消費税導入時には、経過措置として税別表示も半年間ほどだけ認められていました。
運賃メーター器のタクシー代表示額は税抜額で、3%を乗じて10円単位に端数調整した額を換算表を利用して収受していました。
タクシー代は、通常のメーター運賃だけではなく、時間制運賃、迎車料金、車種指定料や時間指定料なども全て同様の税込表示です。
MKタクシーに限らず、車種指定料・時間指定料は、税率に関わらず税込1,000円などで固定していることが多いです。
増税後も料金を据え置いている場合は、実質的には値下げになっています。
8% 税込1,000円 税抜926円
10% 税込1,000円 税抜909円
タクシー代に付随するあれこれの消費税について
タクシー利用時には、タクシー代以外にも、有料道路代、駐車代、拝観料等ど必要な場合があります。
高速道路等の有料道路代は、タクシー利用と密接に結びついたものではありますが、タクシー代ではありません。
便宜的に、通行料を一時的に立替えているだけです。
経理上も、高速代はタクシー会社の売上には計上されません。
駐車場代なども同じです。
消費税が課税されるもの
- 有料道路代
- 駐車代
- 入場料
- 食事代
- お土産代
これらは、いずれも原則として消費税が課税されます。
有料道路代は、タクシー会社が乗車中に一時立て替えるのが普通です。
駐車代は、タクシー会社が一時立て替える場合もあれば、お客様が直接その場でお支払いされる場合もあります。
観光タクシー利用時のほか、空港など待機するのに駐車場を利用しなければならない場合に駐車代が発生します。
入場料や食事代、お土産代は、主に観光タクシー利用時に発生します。
これらはお客様が直接支払うことが多く、タクシー会社が立替えることは稀です。
消費税が課税されないもの
- 拝観料
観光タクシー利用時などに必要となる寺社の拝観料は、消費税が課税されません。
ただし、寺社等であっても宝物館やお土産などは、消費税が課税されます。
寺社への拝観料は宗教行為ですが、宝物の鑑賞行為は観光とされているためです。
同様に、御朱印代は課税されますが、御朱印帳の購入には課税されません。
御朱印をもらう行為は宗教行為ですが、御朱印帳の購入は通常の商取り引きとされるからです。
宗教行為への不課税は、宗教分離の原則や公益活動には課税しないという税の原則に基づくものです。
このあたりの違いは、寺社にとっては、存在意義に関わる問題です。
税転嫁が争点となった行政法の重要判例「三菱タクシー事件」
行政法の分やで知られる三菱タクシー1事件は、1988年の消費税3%の導入が発端です。
消費税導入にあたり、近畿運輸局では、原価計算等の実質的な審査を省略して増税分のタクシー運賃値上げを認める取扱いをしました。
ほとんどの会社が消費税分の値上げを行いましたが、大阪で低運賃政策を取っていた三菱タクシーは、増税分の転嫁を行わず、運賃を据え置きました。
1991年に、消費税分に相当する3%の値上げを行うため、三菱タクシーは近畿運輸局に運賃変更申請を行いました。
近畿運輸局では、道路運送法に基づき通常どおりの審査を行うため、原価計算等の根拠資料の提出を求めました。
しかし、三菱タクシーは1988年の消費税導入時と同様の簡略な審査を求め、資料の提出に応じませんでした。
近畿運輸局は、書類不備を理由に三菱タクシーの運賃変更申請を却下しました。
却下処分により、三菱タクシーは運賃値上げをできませんでした。
処分に不服の三菱タクシーは、近畿運輸局が行った違法な却下処分により、消費税分の値上げによって得たはずの利益の損害賠償を求めて訴えました。
大阪地方裁判所と大阪高等裁判所では、三菱タクシーの主張を認め、却下処分は違法であるとして、国に損害賠償を命じる判決を行いました。
しかし、最高裁判所では、値上げの合理性を判断するための書類不備を理由とした却下は、裁量権の逸脱や濫用には当たらない、と国の主張を認める逆転判決を行いました。
「行政庁の専門技術的な知識経験と公益上の判断を必要とし、ある程度の裁量的要素があることを否定することはできない」との理由です。
行政の広範な裁量を認めたものとして、行政法の分野において、重要な判例とされています。
公共交通機関には消費税軽減税率を適用すべき
多くの国で消費税の軽減税率が取り入れられている公共交通機関ですが、日本ではなぜか軽減税率の対象外です。
消費税の複数税率制度は実務上、複雑な事務処理を強いられるなど様々な問題をはらんでいます。
それでも、2019年10月に我が国は消費税の軽減税率を取り入れました。今更軽減税率の是非を論ずるの生産的ではありません。消費税には軽減税率があるという前提で考えましょう。
消費増税以降、軽減税率の対象となるのは飲食料品と定期購読の新聞のみです。
贅沢品には通常税率、生活必需品には軽減税率というのが世界的な複数税率に対する原則です。
2019年10月以降の消費税率においては、税率が8%だろうと10%だろうと大差はありません。しかし、今後消費税率はさらなる税率アップが想定されます。
そんななかにって、鉄道・バス・タクシーなどの公共交通機関が消費税の軽減税率対象でないのは極めて疑問です。
高齢者の生命線として、深夜早朝の唯一の公共交通機関として、タクシーは無くてはならない存在です。
新聞発行が公益性の高い事業であることを否定するつもりは全くありません。しかし、タクシーや鉄道をはじめとする公共交通機関の公益性が新聞に劣るのかどうかを十分議論されたとはとても思えません。
消費税の軽減税率の対象となるのが当然だと考えますが、今のところそうはなっていません。
消費税のあり方自体の是非については、増税せざるをえない、廃止すべき、など賛否両論があるでしょう。
しかし、世界を先駆けて超高齢化社会を迎えている我が国において、なくてはならない移動手段を担うタクシーなどの公共交通機関が、消費税の軽減税率制度において、無視されるという扱いがこのままで良いでしょうか。
消費税以外の税金
タクシー事業において、消費者であるお客様が負担する税金は、消費税だけです。
その他にも、タクシー事業では様々な税金がかかります。税金のうち、自動車に特有の税金の一部を紹介します。
自動車税
全てのナンバープレートが付いた車両には、自動車税が課税されます。
タクシーも例外ではありません。
排気量1.5リットル超~2.0リットル以下の自動車の場合、タクシーを含む営業用車両は、年間9,500円の自動車税が課税されます。
ハイブリッド車などの場合は、グリーン化特例として、減免の対象になります。
自家用車両の場合は年間39,500円なので、営業用車両は政策的に抑えられています。
なお、ここでいう営業用車両とは、緑ナンバーなどの営業用ナンバーの車両です。
タクシー会社であっても、社用車として使用している白ナンバー車両には、自家用車両の自動車税が課税されます。
自動車重量税
自動車税と同じく、タクシーにも自動車重量税が課税されます。
車両総重量1.5トン超2.0トン未満の場合、タクシーの継続検査等時には10,400円課税されます。
自家用車の場合は、16,400円(1年)なので、タクシーなど事業用車両の方が抑えられています。
自動車重量税も、エコカーの場合は減免を受けることができます。
なお、自動車重量税は車検時に納税しますが、タクシーの場合は1年に1度の車検が義務付けられています。
自動車税環境性能割
以前は自動車取得税という名称でしたが、消費税が10%となるのと同時に廃止となり、代わって自動車税環境性能割が導入されました。
自動車の購入時に課税される税金です。
新車の場合、原則として取得価額の3%が課税されます。
ただし、環境性能に応じて非課税、1%、2%と税率が軽減されます。
もちろんタクシー会社が車両を購入した場合にも課税されます。
MKタクシーでは、環境性能の高い車両を積極的に導入しており、結果的に自動車税環境性能割はほどんど非課税です。
石油ガス税
液化石油ガス(LPG)に課税される税金です。
タクシー会社が直接納税するわけではありませんが、燃料費の一部として納税しています。
タクシー専用車両は、基本的にはガソリンではなく、LPGを燃料としています。
ガソリンに対するガソリン税と同様、LPGにも液化石油ガス税が課税されます。
1リットルあたり9.80円が課税されます。さらに石油ガス税にも消費税が課税されます。
ガソリンと比べて二酸化炭素排出量が少なく、大気汚染物質をほとんど排出しないため、税額は低めに設定されています。
ガソリン税
正確には、揮発油税及び地方揮発油税と言います。
ガソリン1リットルあたり、53.8円が課税されています。
さらにガソリン税にも消費税が課税されます。
かつては、タクシーといえばLPG車でしたが、近年ではタクシー専用車ではなく、一般車両をタクシーとして使用することが増えています。
MKタクシーでは、既に過半数がガソリン車となっています(2022年2月にLPG車は0台に)。
個人タクシーの消費税はどうなる?
インボイス制度導入に伴い、2023年10月に加筆修正
消費税の免税事業者とは
消費税は、タクシーに限らず年間の課税売上高が1,000万円以下の場合は、原則として納税義務が免除されます。
手続きの簡素化と、小規模事業者の保護救済を目的としています。
個人タクシーでは、年間の運送収入が1,000万円を超えることは稀です。
仮に月間24勤務とした場合、1勤務で平均34,722円(=1,000万円÷12ヶ月÷24)を超える税抜運送収入があった場合のみ、課税されます。
2004年までは3,000万円以下が消費税が免税だったため、該当する個人タクシーは皆無でした。
個人タクシーが課税事業者を選択するメリットはほとんどなく、2023年10月のインボイス制度導入まではほぼ全ての個人タクシーが免税事業者を選択していました。
免税事業者と消費税の益税
個人タクシーに限りませんが、免税事業者には、益税が発生します。
本来国に納めるべき預かり消費税を納付する必要がないためです。
2019年10月の消費税増税時に、ほとんどの個人タクシー事業者は、免税事業者にも関わらず、2%増税分の値上げを行っていることからもわかるとおり、タクシー運賃には消費税が含まれています。
仮に、税抜で年間の運送収入600万円、経費200万円(燃料代、車両代、点検整備代など)の場合
預かり消費税(A) 60万円(600万円×10%)
支払い消費税(B) 20万円(200万円×10%)
益税(A-B) 40万円
あくまで仮のモデルではありますが、結果的に年間で40万円という結構な額の益税が発生しています。
労働集約産業である個人タクシーは、小売店舗などと比べても、益税が高額になりやすい構造にあります。
ただし、2023年10月のインボイス制度導入に伴い、大半の個人タクシーが益税の発生しない課税事業者へと変更することになりました。
インボイス制度導入に伴い大半の個人タクシーが課税事業者に
2019年10月の消費税増税から4年間の移行期間を経て、2023年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)がはじまりました。
インボイスを発行できるのは、課税事業者だけで、免税事業者は発行できません。インボイスがなければ、利用者が消費税課税事業者の場合、仕入額控除ができなくなります。
具体的には、タクシー運賃が税込1,100円の場合、インボイスがあれば消費税課税事業者の実質負担は税抜の1,000円で済みますが、インボイスがなければ税込の1,100円になります。
そのため、個人が個人タクシーを利用する分には免税事業者でも課税事業者でも通常は関係ありませんが、会社など法人が個人タクシーを利用する場合、免税事業者の個人タクシーは避けられることになります。
なお、仮に課税事業者となった場合、売上高が5,000万円以下の場合は簡易課税制度を利用できます。運輸通信業を含む第五種事業は、みなし仕入れ率として、50%を認められます。
前述の例の場合、簡易課税制度を利用すると、納付する消費税は40万円ではなく、30万円になります。
個人タクシーの団体は、課税事業者と免税事業者が混在することによる混乱を避けるため、課税事業者への変更を推奨してきました。
結果として、ほとんどの個人タクシーは課税事業者を選択することとなりました。
消費税増税に伴う値上げのタイミング
消費税増税について、24時間営業のコンビニなどでは、2019年9月30日と10月1日のどのタイミングで消費税が切り替わるのかが話題にりました。
しかし、同じく都市部では24時間営業であるタクシー運賃は午前0時に消費税10%へと切り替わるのではありません。
タクシーが消費税10%の新運賃に切り替えるには、メーター改造という物理的な制約があります。
消費税増税のとき、他業界ではあまり例のないタイミングでタクシー運賃は切り替わるのです。
一般的な値上げのタイミング
2019年10月の消費税10%への増税時に、消費税は10月1日の午前0時をもって10%を適用するのが原則とされています。
例えば消費税が10%24時間営業のコンビニでは、レジのタイミングが2019年10月1日の午前0時?
レジの列に並んだタイミングが午前0時?などと話題になりました。
一方で、午前0時を越えて深夜営業する飲食店はたくさんあります。
もし、消費税の原則どおり取り扱うなら、10月1日の午前0時までの注文は消費税8%の旧料金、それ以降は消費税10%の新料金となるべきです。
しかし、実務上は9月30日分の売上として計上される分については、午前0時を越えても消費税8%を適用しても差支えない、とされています。
つまり、午前3時閉店のお店の場合、午前0時~午前3時は10月1日でも消費税8%に基づく旧料金を適用することができるのです。
さて、ではタクシー運賃はどのような扱いなのでしょうか?
タクシー乗車中でも午前0時になった段階で消費税10%の新しいタクシー運賃が適用?
午前0時以降のタクシー乗車から新運賃が適用?それとも?
まず、タクシー以外の交通関係の消費税増税の取り扱いに関する事例を見ていきます。
鉄道・バスは終電まで旧運賃
タクシーと同じく公共交通機関である鉄道やバスでは10月1日午前0時を越えても、終電までは消費税8%の旧運賃が適用されます。
確かに午前0時のタイミングに券売機や改札機の新旧切り替えなんてできませんよね。
9月30日の終電前から消費税増税後の運賃への変更作業をはじめ、終電から始発の間に、券売機や改札機はもちろん、駅のあちこちにある運賃表示を一斉に切り替えます。消費税増税に伴う運賃改定のタイミングでついでに駅名の改称が行われることもあります。
例えば京都では京阪電鉄の深草駅が龍谷大深草駅に、八幡市駅が石清水八幡宮前駅に変わります。
消費税10%の例外として、9月30日までに購入した切符や定期券は、10月1日以降の利用であっても消費税8%の旧運賃が適用されます。軽減税率とは全く関係ない扱いです。
なお切符の場合は、JRだと100kmまでや大都市近郊区間内の場合は当日のみ有効なので、ほとんどの場合は消費税8%の例外を利用することはできません。
切符制ではないタクシーとは無関係です。
高速料金は入るタイミングが午前0時まで旧料金
高速料金は、出口から降りた日時に関係なく、午前0時までに入り口から入った場合に消費税8%の旧料金が適用されます。
タクシーで高速道路を利用する可能性がある方は知っておいてください。
24時間営業であり、時間帯に応じた割引などを常時行っている高速道路では、システム的にもこういった対応が可能なのでしょう。
タクシーは、9月30日出庫車両が入庫するまで旧運賃
タクシー運賃メーター変更の物理的な制約
で、本題のタクシーの消費税変更のタイミングは、少し複雑です。
9月30日の出庫車両が入庫するまでが消費税8%の旧運賃、10月1日の出庫車両からが消費税10%の新運賃となります。
営業所でタクシーに車載している運賃メーターの変更作業が必要という物理的な制約があるからです。
具体的には、MKタクシーのように昼夜2交代制のタクシー会社の場合だと、9月30日の夜勤のタクシー車両が入庫する10月1日午前5時~7時くらいまでになります。
東京などで主流の隔日勤務制の場合だと、10月1日午前1時~3時くらいまでにタクシーが入庫する場合が多いです。
一時的に複数の運賃が混在
入庫時間はタクシー会社の勤務体制によって様々ですが、MKタクシーを含めてほとんどの事業者はタクシー車両によってある程度入庫時間をばらけさせています。
これは、消費税増税とは無関係に、街に自社のタクシーが1台も走っておらず、配車が不能という状況を普段から避けるためです。
そのため、タクシーが昼夜2交代制の場合だと、一時的に9月30日出庫の夜勤車両と10月1日出庫の昼勤車両が2種類のタクシーが混在することになります。
ほんの2時間程度ではありますが、同じ会社のタクシーであっても消費税8%の旧運賃と消費税10%の新運賃が混在してしまうのです。
見分けるには、タクシー後部ドアに貼ってある運賃ステッカーの額を見て新運賃か旧運賃かを判断するか、直接タクシーのドライバーに聞くしかありません。
タクシーの運賃メーター変更作業
では、消費税増税に伴うタクシーの運賃メーターの変更作業とは具体的にはどのようなものなのでしょうか。
昔は後述のように、モノ自体を交換するというなり大変でしたが、今のタクシー運賃メーターはSDカードを挿入して機械内部の演算式を書き換えるだけの簡単な作業で運賃メーターの演算式を書き換えられます。
2018年5月10日の運賃改定時に行われたMKタクシーでのタクシー運賃メーター変更作業を見てみましょう。
運賃メーターとは
まず、タクシーの運賃メーター器について簡単に説明します。
皆さんもタクシーに乗車した際は、必ず目にする運賃メーター。
ご存知のとおり、走行距離や乗車時間によってタクシー運賃・料金を計算して表示する機械です。タクシー車両前席の中央に鎮座しています。
現在、国内では4社が製造しており、MKタクシーは業界最大手である二葉計器さんの運賃メーター器を使用しています。
運賃メーター器の右下と左下に針金がありますが、これで車両と運賃メーターは厳重に結び付けられています。
針金には合格印が刻印された鉛玉がついており、勝手にほどいてタクシー運賃メーターを別の車両に取り付けることはできません。
実は、タクシーの運賃メーターは、計量法に基づく「特定計量器」です。電気・ガス・水道メーターなどと同じです。
タクシーは1年に1回計量検定所でメーター検定を受けることが義務付けられています。
検定に合格すると、計量検定所でこのような「封印」が行われます。
年1回の検定を受けなかったり有効期限切れでタクシーの運賃メーターを使用すると、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されています。
ですので、日本ではタクシーの運賃メーターを違法に改造して営業することは不可能です。
運賃メーターを書き換える
MKタクシーでは昼夜2交代制のため、運賃改定時には夜勤が入庫してから昼勤が出庫するまでの短時間にメーターの変更を行う必要があります。
夜勤のタクシー入庫車両が帰ってくる夜明け前から作業が始まります。
作業は、主に整備点検部門の職員が担当します。
MKタクシーの場合は、直営の整備部門であるMK自動車が担当します。
整備士といえども、運賃メーターの変更作業をするのは数年に一度程度です。
まずドライバーで運賃メーターの左下の部分をこじ開けます。
よく写っていませんが、中にあるスイッチをドライバーで押すと、メーターの書き換えができる状態になります。
有効期限が貼られた部分を左にスライドさせると、中にはSDカードスロットがあります。
このスロットにタクシー運賃メーターの演算式を書き換えるSDカードを挿入すると、タクシー運賃メーターが書き換えられます。
書き換えはほんの10秒くらいで終わります。
このSDカードは、消費増税後の新運賃に対応したものを運賃メーター大手の二葉計器さんに作ってもらいます。
再び書き換えスイッチをオフにしたら作業完了です。
MK自動車のスタッフにかかれば、タクシー1台あたり5分もかかりません。
タクシーの車種によって運賃メーターの車載位置はまちまちで、中にはこんな作業しにくいところにもあるタクシーもあります。
万が一にもタクシー運賃メーターの書き換え漏れや間違いが起きたら大変です。公共交通機関としての信頼性を揺るがせるわけにはいきません。
タクシー1台ずつにチェック表を用意し、万全の準備をしています。
運賃メーターだけではなく、タクシー後部ドアの運賃ステッカーも消費税10%への値上げ後の額への張り替えが必要です。
その他、タクシー車内の運賃表や広報物なども入れ替えを行います。
昼勤のタクシーが出庫する前に、最後に営業所長が再チェックし、作業は完了です。
消費税10%の新運賃に切り替わったタクシーの昼勤車両が出庫していきます。
近年ではアナログ方式の運賃メーターではなく、位置情報等のデジタルを活用したより柔軟な運賃メーターの開発も進められています。
次の消費税増税時には午前0時ぴったりに運賃が変わるタクシーの運賃メーターも技術的には可能になっていることでしょう。
1989年当時の運賃メーター変更作業
今でも運賃メーターの変更作業のことは「メーター交換」と言いますが、昔は文字通りの運賃メーターそのものを取り外して新しいものへと交換する作業でした。
手間も費用も今よりかなり多く必要な作業でした。
基本は今でも変わらないタクシーの運賃メーター器ですが、実は知られざる進化を遂げているのです。
消費税増税による値上げ後も京都最安値のMKタクシー
消費税増税により各種物価が上昇し、家計へも少なからぬ打撃を受けることでしょう。
少しでも安くドアトゥドアで移動したいという方には、MKタクシーがおすすめです。
京都のMKタクシーは、2019年10月の消費税増税後にも2021年12月1日に運賃改定を行いましたが、他社より9%安い運賃で運行しています。
MKタクシーなら迎車料金も不要です。
MKタクシーのご予約は075-778-4141まで。
便利な配車アプリも是非ご利用ください! → MKスマホ配車
タクシー運賃に関する記事
- 三菱グループとは無関係。2010年に未来都タクシーに改称、2015年に日本交通が買収し、東京・日本交通に改称、2021年にアサヒタクシーが買収し、京都アサヒタクシーに改称[↩]