超実践的!これがMKの新卒トラベルコーディネーター現地観光勉強会
目次
MKタクシーでは新卒を将来のファーストハイヤードライバーである「新卒トラベルコーディネーター」として採用しています。
まだ二種免許を取得していない新卒の候補生に対しても、内勤勤務と並行して京都へ来る修学旅行を想定した新卒対象の観光勉強会を行っています。
観光勉強会では座学だけではなく新卒対象の京都現地勉強会も行い、大ベテランの観光ドライバーが新卒を対象に実践的なトレーニングを積んでいます。
新卒トラベルコーディネーター候補生の観光勉強会
2019年4月、京都MKに10名の新卒トラベルコーディネーターと、18名の新卒トラベルコーディネーター候補生が入社しました。
第二種運転免許を未取得の新卒トラベルコーディネーター候補生は、コールセンター等の部署での業務と並行して、新卒対象の京都観光勉強会や英会話勉強会が開催されています。
新卒対象の観光勉強会は毎週1回実施し、概ね座学2回、現地勉強会1回のペースで研修を京都で重ねています。
新卒対象の京都現地勉強会へジャンボで出発
6月に行われた新卒トラベルコーディネーター候補生6名へ京都での現地勉強会に新卒入社3年目の広報担当者が同行取材しました。
新卒現地勉強会の講師を務めるのは、1995年に入社以来、京都の上賀茂営業所で観光課長を長く務めるなど観光ドライバーとして活躍した日笠講師です。
第一線を退いてからも新卒トラベルコーディネーターの講師として京都の後進の指導にあたっています。
移動に使うのは定員10名のハイエースです。
今回は講師、新卒候補生6名、広報担当者の計8名が乗り込み、いざ本社を出発。
移動中も要所で車窓説明や運転のポイントなどの講義が入るので気が抜けません。
以下、講義内容を紹介します。
注:取材日は2017年6月27日
千本鳥居の「伏見稲荷大社」
外国人が選ぶ日本の観光地ランキング1位に6年連続で輝いたのが伏見稲荷。
座学ですでに伏見稲荷大社の成り立ちについては学びましたが、まずはその復習です。
伏見稲荷大社はいつ、誰が創建したか覚えているでしょうか?
寺社の参拝マナーを学ぶ
修学旅行生といえど、参拝マナーは必須です。
限られた時間の中、参拝するかどうかは生徒次第ですが、説明はしてあげましょう。
最初に二礼二拍一礼の基本作法と賽銭は投げずにそっと入れる、という基本を指導します。
まずは自分で伏見稲荷大社の本殿でやってみましょう。
京都では、いろんな人がいます。ドライバーの立居振舞も見られていますよ。これまでのMKの諸先輩方の活躍が今のMKを築いてきたのです。
なぜ社殿は神社の定期的に建て替えるのか
神社ではお寺と違って、社殿を定期的に繰り返し建て替えます。
京都ではありませんが伊勢神宮が20年に1回行う式年遷宮が有名です。
なぜわざわざ建て替えるのかには、いろいろ理由はあるのですが、その大きな一つが技術の継承です。
20年に一度のサイクルだと、若いころに一度、棟梁として一度遷宮を体験することになり、技術を次の世代に引き継ぐことができます。
記念撮影スポットは要チェック
伏見稲荷大社といえば千本鳥居ですが、修学旅行の記念撮影のスポットはここ。
鳥居に入る前に撮りましょう。
千本鳥居の中に入ってしまうと人混みで撮影はできません。
修学旅行では観光ドライバーが修学旅行生の監督者
千本鳥居から少し離れたところに、あまり知られていない修学旅行生が喜ぶ記念撮影スポットがあります。
観光地で良く見る顔出し看板の元祖です。
修学旅行生は大喜びで撮影しますが、目立たないところにあるため、伏見稲荷大社の中でもあまり行列はできることはありません。
階段が急なので、落ちないように十分注意してあげましょう。
修学旅行ではドライバーは先生に代わる監督者でもあります。
修学旅行の場合「おもかる石」より奥のいわゆる伏見稲荷大社のお山巡りには基本的に案内しません。
どうしてもと修学旅行生が希望された場合のみ行きます。
伏見稲荷代謝のお山巡りをする際は、道を間違えないよう細心の注意が必要です。
道を間違えて気づいたら山科方面に出てしまった、なんてことを聞いたことがあります。
舞台が工事中の「清水寺」
修学旅行の生徒は見るだけでなく体験するのが好き
京都の清水寺の仁王門前には首振り地蔵というのがあります。
願いに関係のある方向に首を回してお祈りします。
京都へとやってくる修学旅行生はただ見るだけではなく、実際に何かをするというを喜びます。
仁王門カンカン貫き(清水寺七不思議)
これは清水寺七不思議のひとつです。
この部分をカンカンたたくと、反対側で音が聞こえます。
みんながカンカンするのでこんなにえぐれてしまいました。
こんなになるまで、いったい何人がカンカンしてきたんでしょうね。
六本柱の鐘楼(清水寺七不思議)
これも清水寺七不思議のひとつ。
鐘楼と言えば四本柱なのに、ここは六本柱になっています。
言われてみればたしかに違和感があるでしょう。
三重塔の鬼瓦(清水寺七不思議)
これも清水寺七不思議のひとつ。
こちらの方向の屋根だけ鬼瓦ではなく、龍が置かれています。
これは火除けのためといわれています。
清水寺七不思議にはあと4つありますが、今回は時間の都合で説明を省きます。
調べたらいくらでも出てくるので、各自で覚えておくように。
水をかけてお参りする観音さんですが、背後から水をかけるのが正しいお参り方法です。
ここを管理しているという檀家さんに教えてもらいました。
線香をかっこよく立てるコツ
線香の立て方にもコツがあります。
普通に突き刺そうとすると、他の線香のせいでやけどをする可能性があります。
20cmくらいの高さからまっすぐ落とすときれいに立ちます。
こういうことも修学旅行生の前で、さっとカッコよくできるようになりましょう。
地主神社「恋占い石」は大人気
清水寺の中にある地主神社は修学旅行生には大人気なので、ぜひ案内してあげましょう。
「恋占いの石」は混雑でとてもまともには試せないのですが、やりたいという修学旅行生も少なくありません。
そのときは、観光ドライバーは人だかりをかきわけて道を開いてあげてください。
何としても向こうの石まで修学旅行生をたどり着かせてあげましょう。
それが修学旅行でやってきた彼や彼女の一生の思い出になります。
修学旅行で寄り道は厳禁
ちょうどこの時期はアジサイが見頃を迎えています。
最近人気のハート型のアジサイが咲いていますね。
こういうのも修学旅行生に喜ばれるので見つけたら、案内してあげましょう。
でも修学旅行はある意味時間との勝負なので、過度の寄り道は厳禁です。
音羽の滝の俗説
清水寺の三本の滝には健康、恋愛、学問というご利益があるといわれますが、実は俗説で根拠はありません。
でもそんな修学旅行生に野暮なことは言う必要はありません。
右奥に見える瞬間殺菌器にも注目を。
ここの柄杓は常に殺菌されているので安心です。
昼食・お土産スポットの選び方
予算1,500円で昼食場所をどう選ぶか
どこで昼食を食べるかの選択は、修学旅行で難しいポイントのひとつです。
事前に店を決めている場合は良いのですが、決まっていない場合は一緒に決めなければなりません。
特に中学生の修学旅行生の場合は予算が1,500円くらいなので、選択範囲はあまり広くありません。
清水寺の場合、修学旅行生のグループ内の意見がまとまらず困ったときによく使うのが駐車場に隣接している「三十六峰」さんです。
予算範囲内で京都らしいものを食べることができます。
今日の新卒対象勉強会でも三十六峰さんを利用しました。
昨日の班の新卒対象勉強会では、産寧坂の阿古屋茶屋さんを使いました。
1,500円ほどでお茶漬けが食べ放題です。
清水寺などの昼食ポイントでは、できるだけ多くの修学旅行で使えるお店を把握しておきましょう。
評判を鵜呑みにするだけでなく、自分の舌で確かめてみることも必要です。
修学旅行でのお土産屋さんの選び方
修学旅行では、お土産屋さん選びも重要です。
まず必ずグループで同じ店に入ってもらわなければなりません。
修学旅行では完全同行が基本なので、常に目の届く範囲にいてもらわなければならないためです。
修学旅行生がお店に入ると、ドライバーは出入り口で待機します。
修学旅行生と一緒に店内に入ってしまうと、陳列棚で死角ができてしまいます。
なるべく出入り口が一ヶ所のお店に誘導するようにしましょう。
例えば八ッ橋のお店に行きたいという場合なら、いくつかある八ッ橋のお店のうち、最も目の行き届きやすいお店に入りましょう。
一般観光と修学旅行ではマナーが違う
一般の観光だと、購入したお土産は「お持ちしましょうか」とお声がけするのが基本ですが、修学旅行ではそのようなことはしません。
単なる観光ではなく、研修のため自分のことは自分でやらせます。
敢えてやらせるのが「おもてなしの心」なのです。
大変かもしれませんが、京都の観光ドライバーは一般観光と修学旅行で全くことなる2通りのマナーを覚えなければいけません。
通し矢の「三十三間堂」
おすすめは婆藪(ばす)仙人
三十三間堂といえば、1,001体の千手観音像です。修学旅行の定番です。
工房でたくさんの仏師によって制作されたため、少しずつ顔が違っています。
仏像の列を横から見ると、きれいに並んでおらず、前後ががたがたにずれているのがわかります。
これは地震によって前や後に動いたためにずれているのです。
ずれたなら戻せば良いと思うかもしれませんが、奥の方だと手前の仏像を全部どかさないと動かせないため、そのままにしてあります。
千手観音以外では風神雷神が有名ですが、私のイチオシは二十八部衆のひとりである婆藪(ばす)仙人です。
ぜひ修学旅行で見てもらいたい仏像のひとつ、ではなく1,000余つです。
通し矢の矢が残る
江戸時代にはここで通し矢が行われました。
通し矢とは、各藩の弓の名手が一昼夜100mを越える廊下を射通し命中した本数を競う競技です。
藩の意地をかけ、負けたら切腹という文字通り命がけのイベントでした。
このように、刺さった矢を残しているのも見ることができます。
一昼夜で数千本の矢を通しましたが、弾道が高すぎるとこのように屋根にささってしまいます。
同じところに何本も刺さるため、場所によってはささくれだってしまいます。
イケ仏たちの立体曼荼羅が人気な「東寺」
人気急上昇のイケメン仏像たち
講堂の仏像群は立体曼荼羅といわれます。
曼荼羅の世界を仏像で表現したというもので、空海が自ら彫り、配置したといわれています。
講義で学んだ如来、菩薩、明王、天の違いについても再確認してください。
余談ですが、東寺の帝釈天はイケメン仏像として京都へ来る修学旅行生にも有名のようです。
亀が甲羅干しをするのは、甲羅がふやけるのを防ぐためです。
水草が生えないように干すのではありません。
京都のシンボル五重塔
桜の時期は、不二桜と五重塔が1枚に収まるここが撮影スポットです。
やはり京都のシンボル、五重塔はかっこいいですね。
以上で本日の修学旅行を対象とした現地勉強会は終了です。
今日習ったことは復習して忘れないようにしてください。
取材を終えての広報担当者の感想
トイレ案内まで再現の実践的勉強会
これほど実践的な勉強会だとは思っていませんでした。
今回巡ったところは、いずれも何度も行ったことがあるところですが、全く見方が変わりました。
観光ガイドにおいてはトイレの横を通るごとにトイレの案内をしなさいと学びましたが、実際に講師はトイレを見るごとにトイレの案内をしていました。
長時間歩いてみて、その意味と効果を体感することができました。
こんなタクシー研修を体験したかった
修学旅行においてはドライバーは監督者であり先生でありガイドであるという役割があります。
担当者は京都府出身のため、タクシーを利用した修学旅行の経験をしたことがないことを残念に思います。
食事場所や、特別公開や修復による拝観休止などについて日々情報収集にたゆまない講師を尊敬します。
知識だけでなく体力なども含めた総合力が必要
正直、今回の取材では日ごろの運動不足のため最後の方はかなりへばりました。
通常の修学旅行でも一日でこれくらいは回るのですが、こんなに歩くものなのか、というのが正直な感想です。
しかも本来であれば、ガイドだけではなくやんちゃな生徒たちをしっかりと見張るという大事な使命もあります。
観光ドライバー、特に修学旅行担当ドライバーは知識だけではなく、体力や統率力、注意力などの総合力が問われます。
一人前のトラベルコーディネーターになって
勉強はもちろん大切だけど、一番は自分が楽しみながら学ぶこと!
お客様にどうやったら楽しんでもらえるか…そのために自分が面白い!と思えるものをこれからもたくさん見つけて、今回勉強会に参加した候補生たちが、一人前のトラベルコーディネーターへと成長してくれることを願っています。
おわりに
MKタクシーでは、将来のファーストハイヤードライバーとして「トラベルコーディネーター」を採用しています。
タクシーに乗務するために必要な第二種運転免許は、第一種運転免許取得から原則3年経過しなければ取得できません。
しかし、3年に満たなかったり運転免許を未取得の方であっても、候補生として採用し、第二種運転免許取得まで内勤として様々な部署でキャリアを積む制度があります。
候補生に対しても観光勉強会や英会話勉強会などを実施し、第二種運転免許取得後は即戦力として活躍することが可能です。
観光の仕事がしたい方、人と接する仕事がしたい方、お客様からのありがとうがいただける仕事がしたい方はぜひ一度説明会にお越しください!