~河南町だより~MK観光バス職員が森田町長へインタビュー

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~河南町だより~MK観光バス職員が森田町長へインタビュー

エムケイ観光バス株式会社は、2024年6月30日をもって設立25周年を迎えました。 日頃よりご愛顧いただいているお客様に、心より深く感謝申し上げます。
今回は大阪府河南町における自家用有償旅客運送の運行業務を受託しているご縁から、MK新聞7月号939号の1面「ひと」にてご紹介させていただきました河南町・森田町長のインタビューをQ&A方式でご紹介いたします。

 

Q.河南町の魅力や強みは何だとお考えですか?
A:河南町の魅力は田舎の雰囲気があり、自然豊かで歴史と文化が色づくところだと感じます。
河南町には、数多くの古墳が点在しています。その中でも、一須賀古墳群は、大阪府内における三大古墳群の一つに数えられており、かつては200基以上が存在していました。現在は、そのうち100基強が保存され、町の歴史的な景観を形作っています。
また、河南町は古くから農業が盛んな地域として発展してきました。地元の農家が育てた新鮮な野菜や果物を購入できる道の駅もあり、多くの人々に親しまれています。

Q.農業の盛んな町だとおっしゃっていましたが、特産物で特にアピールしたいものはありますか?
A:イチゴですね。近年では、新規就農者が意欲的にイチゴ栽培に取り組んでおり、町内には16~17軒のイチゴ農家のもとバリエーション豊かな栽培が行われています。
河南町産のイチゴの最大の特徴は、ヘタの際まで真っ赤に熟していることです。これは完熟状態で収穫し出荷することで実現しており、購入後すぐに美味しく食べられるのが魅力です。
加えて、野菜や卵の自動販売機もあり、ガラス張りで中身が見える仕様となっており、1個200円程度で新鮮な農産物を購入できます。

Q.町長が思う河南町の一番良いところはどこでしょうか?
A:河南町の一番の魅力は、「人と人との温かいつながり」です。都市部に比べて隣近所の関係が非常に密接で、特に地域行事であるだんじり祭りでは、町全体が一体となって盛り上がります。町内には17基ほどのだんじりがあり、それぞれの地区で大切に受け継がれています。夢洲で開催中の万博にも一部地区のだんじりが参加しました。SNSでの反響もいただいており、「他の地区も出てほしかった」「一緒に盛り上げたかった」といった声も多く寄せられました。こうしたつながりは、世代を超えて受け継がれており、町の文化や活気を支える大切な要素となっています。
一方で、少子化の影響により、祭りの担い手である若者の確保が大きな課題となっています。だんじりを動かすには体力や技術が求められるため、若い世代の協力が欠かせません。地域の伝統を未来につなぐためにも、今後は若者が主体的に関われる環境づくりや、世代間の連携を強める取り組みが必要と考えています。

Q.若い世代の方々が移住しやすくなるような取り組みは、何か行われていますでしょうか?
A:河南町では、「子育て教育は河南町で」というキャッチフレーズのもと、「子ども1ばん」の町を目指した施策を推進しています。その中心となるのが、「こども1ばん課」です。
この部署では、幼稚園に関わる教育部門、保育園を管轄する福祉部門、そして出生後の各種子育て支援まで、すべての子育て関連サービスを一元的に提供しており、保護者の手続きがここで完結できるようになっています。
そして、町内の保育施設は、待機児童ゼロを実現しております。今年度の4月時点でもゼロを維持しています。中村こども園の中には、大阪芸術大学の若生先生の指導のもと全面芝生の広い園庭や、木製のユニークな遊具を設置し、子どもたちに人気です。自然とふれあいながらのびのびと育つ環境が整えられています。
また、子どもの医療費助成にも力を入れており、全国でもトップクラスの制度だと自負しております。
具体的には、
・18歳までの子どもは、一回の診療につき500円で受診可能
・19歳~22歳の大学生を含むすべての人に対しても、同様に一回500円の助成を適用
このように、22歳まで対象の医療助成制度は全国的にも稀であり、河南町ならではの先進的な取り組みとなっています。
その他にも子育て世代が河南町に戻って定住を促進するための制度も設けております。
・町内で住宅を新たに購入した場合には、最大100万円を支給
・既存住宅をリフォームして住む場合には、最大50万円の補助金を支給
諸条件はございますが、これらの制度を様々な媒体を通じて積極的に発信し、河南町出身の若者が町に戻ってくることや、子育て世代にとって選ばれる町づくりを進めています。

Q.では実際に移住してきた方におすすめのポイントはありますか?
A:河南町では自然と共にある暮らしが日常の中に息づいているところだと考えます。町内には遊休農地も多く残されており、家庭菜園や小規模な農作業に挑戦する方も増えています。特に都市部から移住した方々からは、「土いじりをすることでストレスが解消される」といった声も多く聞かれ、自然とのふれあいが心身の癒やしになっているように感じられます。
また、河南町では、毎年、町内の小学5年生が田植えや稲刈りを体験しているほか、蛍を鑑賞できる場所が何ヵ所かあり、蛍鑑賞会も開催しております。このように子どもたちが自然とのふれあいや食べ物の大切さなどを学ぶ貴重な機会があるのも魅力の一つです。

Q.町長ご自身の座右の銘や大切にしている価値観はありますか?
A:特別な座右の銘がある訳ではありませんが、常に心がけているのは、「誠実に向き合うこと」です。
また、自分自身のためだけでなく、関わるすべての人々の幸せのために努力したいという思いを大切にしております。すべての人を笑顔にするのは簡単なことではありませんが、少しでも多くの人に喜んでもらえるように、日々一生懸命取り組んでいます。

Q.オフはどのように過ごされていますか?
A:オフの日は、まず体をしっかり休めることを大切にしています。その上で、時間があれば自宅の畑で少しずつ野菜づくりもしています。育てているのは季節ごとの野菜で、種類はそれほど多くありませんが、自分の手で育てたものが実る喜びはとても大きいものです。
正直なところ、上手く育つのは何年かに一度くらいですが、それでも楽しみながら続けています。

Q.町長のおすすめのご飯屋さん、カフェなどはありますか?
A:近年、町内では個人経営のカフェが少しずつ増えてきており、ユニークなお店が点在しています。例えば、農協の向かいにあるケーキ屋さんでは、目の前で仕上げてくれるモンブランが特に人気です。都会では2000~3000円はするような品質のスイーツが、リーズナブルな価格で楽しめると評判で、地域の方もよく訪れているそうです。焼き菓子の販売もありますが、店内でのイートインがおすすめで、SNSでも頻繁に紹介されています。
河南町ではHPにてGIS(地理情報システム)を導入しており、地図上に様々な情報を重ねて表示できるよう整備を進めています。現在は基本情報となる地図・道路・避難所などを記載しておりますが、今後は町内のカフェや店舗などの生活情報も地図上に反映させ、住民や来訪者にとって使いやすい情報インフラを目指していきます。

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「子育て教育は河南町で」――町長の言葉には、町を想い、未来を見据える力強さを感じました。誰もが安心して暮らせる町づくりの取り組みに、今後も注目していきたいと思います。エムケイ観光バスとしても、住民の皆さまの“足”を支える存在として、引き続き地域に貢献できればと考えております。

森田昌吾
大阪府河南町 町長。同志社大学工学部を卒業後、1980年に河南町役場へ入庁し、2020年に町長に就任、現在は2期目を務める。

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