子から亥まで十二支の像が全て揃う穴場の伏見稲荷大社「八霊社」
目次
干支が変わるごとにその年の干支に縁の寺社にスポットが当たります。
伏見稲荷大社のすぐ裏手にある八霊社(はちれいのやしろ)は、子(ねずみ)から亥(いのしし)まで十二支の像が全て揃っています。ここなら、いつでもその年の干支にも自分の干支にも会うことができます。
奉納者によってデザインがまちまちなので、見比べてみるのも面白いです。
取材日は2018年12月28日
八霊社(はちれいのやしろ)とは
伏見稲荷大社の裏参道にある八霊社
八霊社は、本殿から八島ヶ池~荒木神社~三つ辻へと至る、伏見稲荷の裏参道にあたるルートの山麓部分にあります。
千本鳥居のある表参道とはうってかわって人通りは多くなく、通り過ぎる人たちもほとんどが前をスルーしていきます。
三つ辻から裏参道を下って来た場合、最後に出てくる社が八霊社です。
逆に本殿からだと4分ほど歩けば到着します。
本殿からだと、左奥の石段を上って左へと進み、八島ヶ池の先を右に曲がって50mほど上った右側にあります。
八霊社とは
伏見稲荷大社とは別法人である、宗教法人 伏見稲荷本教 間力教会の神社です。
間力(かんりき)大神という伏見稲荷に坐す神様を祀る神道系の宗教法人で、戦後の1952年に開基しました。
よくはわかりませんが、稲荷山にたくさんあるお社のひとつと考えて良いでしょう。
なかでも八霊社とは、伏見稲荷大社の主祭神でもある宇迦之御魂神(うかのみたまのみこと)を祀った八角堂です。
祭神を守るために周囲には十二支が配置されています。
自分の干支の像やその年の恵方の干支の像を参拝することで、間力(かんりき)のご利益があるとのこと。
八霊社の十二支像
八角形の台座の周囲をくるりと十二支像が取り囲んでいます
正面右が戌(いぬ)、左が亥(いのしし)、と変なところから始まりますが、これは十二支の方角にあわせているからです。
ちょうど正面が乾(戌亥)の北西を向いているのです。
子(ねずみ)
では、2020年の干支である子(ねずみ)からお参りします。
なんだかまるっこくてかわいいネズミの像です。
丑(うし)
いかにも和牛、という感じのがっしりとしたウシです。
力強さを感じます。
寅(とら)
今にも襲いかかってきそうな姿勢のトラ。
他の像は普通の花崗岩みたいですが、この像だけは黄色に黒の斑点のある珍しい石を用いて、トラ感を醸し出しています。
卯(うさぎ)
つるっつるのウサギ像。
同じ花崗岩であっても仕上げに磨きが使われることで、質感がずいぶん違います。
辰(りゅう)
雲に乗った龍の像。右手には宝珠を持っています。
龍の部分と雲の部分の質感の違いがみごとにあらわされています。
龍に赤い前掛け、というのがなぜかチャーミングです。
巳(へび)
とぐろを巻いたヘビの像。
ヘビといえば、狐に次いで伏見稲荷と縁の深い動物です。
伏見稲荷の祭神である宇迦之御魂神に由来する宇賀神(うがじん)は、人頭蛇身の神様です。
午(うま)
馬だけ何故か二頭います。
午年の方は、ご利益が2倍です。
未(ひつじ)
立派な角を持ったヒツジさん。
ヒツジの角は鹿の角とは異なり骨でできているため血管が通っており、温かいそうです。
申(さる)
陽気に踊っているサルの像。
姿勢とユーモラスな表情がとても楽しそうです。
サルだけ服を着ています。
酉(とり)
とっても立派な尾羽のニワトリの像。
強そうです。
戌(いぬ)
かわいらしい顔つきです。
桃太郎に出てきそうな感じのイヌの像です。
亥(いのしし)
そして一周まわって最後に2018年の干支であるイノシシの像。
なかなか野性味のある、勇ましそうなイノシシです。
印璽大神
裏側にあたつ辰巳の側は、印璽大神という別の神様が祀られています。
印璽大神といえば、下鴨神社にある印璽の神社として知られる印納社(いんのうのやしろ)があります。
印納社は、印璽大神と倉稲魂神(うかのみたまのみこと)=伏見稲荷の祭神を祀っている神社なので、何か関係がありそうですが、よくわかりません。
読み方もわかりませんが、下鴨神社と同じなのであれば「印璽大神(おしでのおおかみ)」です。
歳末の伏見稲荷大社
(以下は2018年12月29日のレポートです)
2018年もあと3日で終わりです。
西日本一の初詣スポットである伏見稲荷大社は、早くもお正月ムードが漂い始めています。
この時期は普段よりは参拝者も少な目です。
特に外国人観光客の数は少ないです。
外拝殿(げはいでん)ではお供え物を設置作業中です。
外拝殿は1589年造営の重要文化財です。
伏見だけあって、酒蔵から奉納された日本酒がたくさんあります。
伏見だけではなく、草津の太田酒造もあります。
注連縄も新調され、いよいよ年末年始を迎えます。
初詣でとんでもない数の参詣者が訪れます。
おわりに
2019年の亥年は狛猪がいる護王神社や禅居庵が 大人気となり、2020年の子年は狛鼠がいる大豊神社に大行列必至といわれています。
京都には、十二支にちなんだ寺社がたくさんあります。
しかし、有名どころ以外にも、今回とりあげた八霊社のような穴場スポットもまだたくさんあります。
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