「ボウリングのプロとアマチュアは何が違うの?」by MKボウル上賀茂・平山陽一プロ
目次
ボウリングというスポーツの特徴のひとつに、プロとアマチュアが同じ大会で戦うことができる、という点があります。
日本プロボウリング協会公認のいくつかの大会では、アマチュア選手であってもアマチュア予選会を通過すれば、本戦予選に駒を進めることができます。あの憧れのプロとも同じ土俵でプレイすることがでるのです。
ではボウリングのプロとアマチュアにはどのような違いがあるのでしょうか。
★平山陽一プロのボウリングコラム一覧★
ボウリングのプロとアマチュアの違い
スポーツによって違うプロとアマチュア
日本では、たくさんのスポーツがアマチュアによって競技として行われています。
それらのスポーツの一部には、プロフェッショナル選手(プロ)があります。
プロといっても、様々な形態があります。
代表的なのは、プロ野球やプロサッカー(Jリーグ)のように、プロチームとの契約によってプロとなるものです。大相撲も概ねこのタイプです。
競馬や競輪など公営競技のように、研修所を卒業することでプロとなる形式や、ゴルフ、陸上、卓球などの個人競技を中心に、個々の選手がスポンサー等と契約することでプロを名乗る形式があります。
一方、ボウリングはプロテストに合格することでプロとなれます。ボクシングと同じタイプで、プロというのは一種の資格のようなものです。
ただし、プロと名乗っていても、誰もがそのスポーツだけで生計を立てられるわけではありません。
野球やサッカー、公営競技などは別にして、プロといっても収入はピンキリな場合も少なくありません。
ボウリングのプロとアマチュアの違い
ボウリングにおけるプロとアマチュアの違いを端的に言うと「プロはボウリングでお金を貰って投げる、アマチュアはお金を払って投げる」ということです。
立場が180度異なっています。
ただ、ボウリングのプロは、ボウリングで収入を得ているとはいっても、トーナメント大会の賞金だけで生計を立てるのは難しいのが現状です。
どうすればプロボウラーになれるのか
プロボウラーになるには、毎年1回行われる日本プロボウリング協会(JPBA)のプロテストに合格する必要があります。
もちろんプロテストは誰でも受けられるものではありません。例えばプロボウラー2名以上の推薦が必要だったり、男子だと190アベレージ以上の実力など、いくつかの条件をクリアする必要があります。
私、平山陽一も1997年にプロテストに合格し、36期生としてプロボウラーになりました。
プロテストに合格するには、2回ある実技テストをクリアする必要があります。
第1次テストは、1日15ゲームを4日連続で投げ、4日間の計60ゲームでアベレージ190以上をクリアで合格(女子は1日12ゲーム、アベレージ180以上)
第2次テストは、1日15ゲームを4日連続で投げ、4日間の計60ゲームでアベレージ200以上をクリアで合格(女子は1日12ゲーム、アベレージ190以上)
この苛酷な実技テストを突破し、面接・筆記等の第3次テストをクリアしてはじめてプロボウラーになれます。
2019年もプロテストを合格した男子9名、女子4名がプロボウラーとしてデビューしました。
2019年5月現在で、男子806名、女子349名のプロボウラーが活躍しています。
プロボウラーのお仕事
前述のとおり、プロボウラーといえども、ほんの一握りのトップ選手や人気選手を除き、トーナメントだけで生計を立てることはできません。
そのためほとんどのプロはトーナメントへの出場だけでなく、所属ボウリングセンターにてプロショップの経営やスクール・レッスン、チャレンジマッチ等を行っています。
では、MKボウル上賀茂に所属している私、平山陽一のようなプロボウラーが、具体的にどのようなお仕事をしているのかを説明します。
プロショップのお仕事
ボウリングセンターには、プロショップが併設されていて、マイボールやシューズなど、ボウリングをもっと楽しむためのグッズを販売しています。
所属プロがプロデュースしたショップなので、センターによってショップの雰囲気が変わるところもあります。
プロショップが取り扱う商品の代表は、ボールです。プロショップではマイボールの購入や採寸、穴あけまでできます。
ボウリングを本格的に楽しみたい方はプロショップのスタッフにご相談ください。
ボウリングのボールといっても、重さだけではなく表面素材やコアの形状によってさまざまな種類があります。
お客様の要望やプレースタイル、ストライク用やスペア用などの用途にあったマイボールを提案させていただきます。
ボールが決まったら、まずはドリルする位置を決めるドリルレイアウトを行います。
ボーリング場に設置してあるハウスボールとは異なり、あなたの指や力にあった位置に穴を開けます。
続いて、指にあったフィンガーグリップを選びます。
フィンガーグリップが大きすぎると投球の途中でボールを落してしまいますし、小さすぎると指が抜けないこともあり、ケガや事故の原因になります。
太さだけではなく、形や素材が異なるいろんなフィンガーグリップがあります。
そして最後にドリルマシンでボールに穴を開けます。
実はこのドリルですが、プロボウラーならだれでもできるというわけではありません。
公益財団法人全日本ボウリング協会の審査を経て認められた者だけが公認ドリラーになることができます。
実際、全てのボーリング場に公認ドリラーがいるわけではありません。
マイボールを購入するときは、信頼できる公認ドリラーのいるプロショップで相談しましょう。
所属ボウリング場では、プロショップの運営だけでなく、ときにはフロントでの接客も含めて何でもやります。
特に、所属ボウリング場でトーナメント大会やプロチャレンジマップを開催するときには、その企画運営も含めて裏方としてもいろんな仕事をやっています。
大変ではありますが、とてもやりがいのある仕事です。
スクール・レッスンのお仕事
多くのプロボウラーが所属ボウリングセンターでスクールやレッスンを開催しています。
どのようなプログラムが設置されているかはセンターにより様々ですが、老若男女誰でもプロの指導を受けることができます。
名選手が必ずしも名コーチとは限らないように、プロボウラーとしての実力や人気とレッスンプロとしての能力は別ものです。
ティーチング能力・コーチング能力に優れたプロボウラーのプロスクールは人気が高いです。
MKボウル上賀茂でのスクール・レッスン開講状況の詳細はこちら。
チャレンジマッチのお仕事
チャレンジマッチはその名の通り「プロボウラーにチャレンジしよう!」というイベント。
憧れのプロと一緒にボウリングを楽しむことができる人気のイベントです。
ボウリングセンター主催の大会形式の試合ですが、プロとアマチュアの交流の意味合いが強いイベントなので、参加条件などはなく予約をすれば誰でも参加することができます。
アマチュアボウラーの腕試しの場でもあり、プロボウラーの投球技術を間近に見ることのできる機会でもあります。
下手でも全然問題ありません。プロボウラーとボウリングを楽しむのが目的のイベントです。
多くのプロチャレンジマッチは、マイボールやマイシューズがなくても参加できます。
MKボウル上賀茂でも色んなプロボウラーに挑戦できるチャレンジマッチを定期的に開催しています。
ぜひ、一度参加してみてください。
人気プロともなると引っ張りだこです。トーナメント大会出場の間を縫い、日本中のボウリング場を行脚してチャレンジマッチをしているというプロボウラーもいます。
誰でも参加できるので、憧れのプロのチャレンジマッチがいつ、どこで開催されるかチェックしておきましょう。
アマチュアボウラーのナショナルチーム
国を背負って戦う国際大会
ボウリングでは、4年に1度の世界ボウリング選手権大会や、アジア競技大会などの国際大会も開催されます。
これに出られるのはアマチュアだけです。
ボウリングと同じく、プロテスト制のボクシングで、プロボクサーがオリンピックや国体に出られないのと同じです。
国際大会に向けて全日本ボウリング協会(JBC)では、ナショナルチームを結成し、選手の強化を行っています。
日の丸を背負って世界で戦うというのは、なかなかできない体験です。
アマチュアでもプロに勝てるのがボウリング
もちろん、アマチュアのトップ選手といえども、多くのプロボウラーには実力が届かないことも。
しかし、そんなアマチュアボウラーでも、ときにトップクラスのプロボウラーに勝てることもあるのがボウリングの面白さのひとつです。
プロアマボウリングトーナメントであるMKチャリティカップは、誰でも予選に参加することができる大会です。
予選を突破すると、大会に出場することができます。
第16回大会(2011年)には、アマチュアの千葉鉄也選手(洛陽総合高校)が並み居るトッププロボウラーを相手に、準優勝を遂げています。
アマチュアとはいえナショナルチームに入るほどの実力者ではありましたが、弱冠高校生があわや優勝という快挙を成し遂げたのです。
MKチャリティカップ
毎年京都で開催するMKチャリティカップはボウリングを通じたチャリティ活動を目的とした大会ですが、実は年に十数本行われる日本プロボウリング協会のナショナルツアーのトーナメントの一つでもあります。
プロボウラーにとっては、タイトルと賞金、そして来年のシード権をかけた重要な公式戦でもあるのです。
アマチュアにとっても、 プロも含めて腕試しをする貴重な機会です。
毎年、MKチャリティカップでは熱戦が繰り広げられ、大いに盛り上がります。
是非ともMKボウル上賀茂までお越しください。
おわりに|ボウリングへの向き合い方
プロボウラーは自分のボウリングスタイルや投球、日々の生活に責任と誇りを持たなければなりません。
常に自分に足りないものと向き合って競技生活を送っているのです。
しかしアマチュア選手は、何よりもボウリングを楽しむことが大切です。
ボウリングに少しでも関心のある方は、ぜひ来年のMKチャリティカップアマチュア予選会に参加して、試合の緊張感を感じてみてください。
実力者の方には自分のボウリングスキルを最大限に発揮して予選を通過し、一線で戦うプロにチャレンジしつつトーナメントを楽しんでいただきたいと思います。
MKボウル上賀茂の情報
営業時間 | 月~木 10:00~24:00 金・土・祝前日 10:00~翌3:00 日・祝 8:00~24:00 ※GW、お盆、年末年始期間中は一部変更となります |
レギュラーレーン 42レーン VIPレーン 6レーン | |
TEL | 075-701-2131 |
住所 | 京都市北区上賀茂西河原町1-1 |
アクセス | 市バス「西賀茂車庫前」より徒歩10分 |
平山陽一プロについて
プロフィール
- 1980年8月1日生まれ
- MKボウル上賀茂所属
- ライセンスNo. 885
- プロ入り 1997年36期
- 出身地 滋賀県
- 永久A級ライセンス取得
主な戦歴
- 獲得タイトル
・第7回 MKチャリティカップ 優勝
・第14回 MKチャリティカップ 優勝
・シーズントライアル 2勝