MK新聞の社説記事「MKタクシー憲章で4つの約束を守り お年寄りを大切にする原点に戻ります」2009年1月1日号
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞の2009年1月1日号に掲載された社説記事の全文です。
「タクシー再規制は事業者の創意工夫の放棄」と題して論じています。
MKタクシー10年進出 雇用創出で経済・社会変革へ
エムケイ株式会社 代表取締役社長 青木信明
お客様、市民の皆様、新年あけましておめでとうございます。昨年中はMKグループに多大なご支援を賜り誠にありがとうございました。お陰様で一同つつがなく新年を迎えることができました。
需要への対応と需要の掘り起こし
京都MKでは昨年2月に八幡市に営業所を新設し、これまで手薄であった地域の強化を図りました。また3月には、MKで長年勤めた社員が個人タクシーとして独立し、MKと契約を結んだ上でMKと同様の営業ができるフランチャイズ制度を開始いたしました。この制度は、個人タクシーの増加がMKの行灯をつけたタクシーの増加につながり、一方で「MKで頑張れば独立できる」という社員のモチベーションアップにつながるもので、会社、社員の双方にとってメリットとなる制度として今後の拡大を期待しています。
配車効率を高め、お客様により便利にご利用いただけるタクシーとなるため、昨年1月よりデジタルGPSを本格的に導入し、より迅速・正確な配車に努めてまいりました。また8月には、コールセンターを介さずに、自動音声に従って電話機のボタンをワンプッシュするだけでタクシーをご注文いただける自動受付システムを開始いたしました。コールセンター、MKどこナビ、自動受付システムとタクシーご注文の窓口を増やすことにより、コールセンターの通話集中を分散させ、お客様によりスムーズにご注文いただけ、かつ、待ち時間をできる限り短縮できるよう引き続き努めてまいります。
MKでは需要の掘り起こしにも力を入れております。現在のデフレ経済下では「安くて質の高いサービス」が消費者に支持され選ばれます。MKでは昨年4月に遠距離割引を拡大し、メーター運賃が5000円を超えた分については5割引といたしました。また、新しいサービスとして、タクシーの利便性をそのままに、運賃は定額で安心してご乗車いただける「空港定額タクシー」の運行を昨年8月より開始しております。長距離の移動には、快適な車両空間を提供するため、3人乗りや4人乗りのエスティマハイブリッドを導入し、中型タクシーと同じ運賃でご利用いただけるとあってご好評いただいております。
さらにMKを選んでご乗車いただけるよう、MKタクシー専用のりばの充実を図っております。昨年9月には大阪に「北新地のりば」を設け、京都方面のお客様には京都のMKタクシーを、神戸方面であれば神戸MKタクシーをご用意し、京阪神エリアのMKタクシーが一体となって利便性の向上に努めております。本年5月には京都駅八条口のMKのりばがリニューアルオープンする予定で、京都にお帰りのお客様の足として、また京都観光の窓口として、さらなる利便性のアップに期待がかかります。
MKではこのように、お客様の視点に立ったタクシーを目指し、事業の拡大を図っております。
誰のためのタクシーにするか
しかしながら現在、国土交通省では2002年の規制緩和後わずか7年で、タクシー業界の要望によってタクシー再規制へと方針転換されようとしています。既存事業者を守り、新規参入や増車に大きな障壁を設けているのです。現在行政が推し進めている規制は、経営努力に欠ける事業者を保護することにしかなりません。「事業者のためのタクシー」を構想されているのでしょうか。
MKでは「お客様のためのタクシー」を守るため昨年8月より一般市民の皆様やお客様に再規制反対の署名を呼びかけてまいりました。お陰様で多数のご支援を賜り、昨年11月に国土交通省に対して、再規制反対を求める署名53万9008名分を提出いたしました。
国土交通省は本年度国会でタクシーを再規制するべく道路運送法改正準備を進めております。新規参入や意欲ある事業者の増車が規制されることになれば、規制緩和以前の護送船団方式に戻り、お客様の視点から離れたタクシーとなるのは明らかです。本年以降もMKはもちろんお客様の方を向いたタクシー事業を行ってまいりますが、MKの経営姿勢が将来のタクシーのあるべき姿を作っていくものと確信しております。
MK全国展開で雇用の創出
MKグループは、業務の効率化を図り、強固な足場を築いてまいります。タクシー自由化7年目を迎える本年は、タクシー企業のリーディングカンパニーとして多様な事業展開をはじめ、さらなる飛躍へ向けて動き始めます。
京都、東京、大阪、神戸、名古屋で事業を展開してきたMKグループは、新たに、福岡、滋賀、広島、札幌、横浜に進出し、10都市ネットワークを構築し、「安全・安心・快適なサービスでお客様にご満足いただく」という一つの方向を向き、一丸となって取り組んでまいります。
また、昨年12月11日に発表した「MKタクシー緊急全国雇用創出計画」に則り、MKグループでは昨年終盤に緊急事態を迎えた雇用の受け皿としても貢献してまいる所存です。MKの全国展開により、タクシー産業に若年層や中年層といった新しい雇用需要を生み出すと同時に、お客様が安心してタクシーを使えるよう業界全体が生まれ変わるように努力してまいります。
皆様方におかれましては、本年も変わらぬご支援を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。